お酒を飲んだ時だけ正直な奴

イギリスの詩人・ジョンソンの伝記を書いたジェームズ・ボズウェルがあるときの会話で「酒のうちに真実あり」という格言を持ち出したことがあります。
酒を飲んでうっとりしたとき、人は本音を吐くものだというほどの意味です。しかし、ジョンソンはこうした飲酒賛美論のは賛同せず、「私は素面のときは嘘ばっかりつき、一言でも本音を吐かせるためには一杯飲ませる必要のあるような男とは付き合いたくないね」と答えています。彼はまた、ある酒好きの男から「酒は一切の不愉快なことを忘れさせますよ。そうした効果があるのに、あなたは飲みたくなることはないんですか」と問われたこともあります。その時の答えは、「なくもないさ、木野の隣に座った時などはね」というものだった。
こうした逸話をみると、非常に頑固な禁酒論者だったように思えますが、普段は他人が酒を飲むことには寛容だったようです。彼が乞食に金をやるのを見た人が、「どうせあの連中は酒やたばこを買ってしまうのだから、おやめなさい」といったのに対して、「だからやらなきゃいけないんだ。人間はだれだって そのくらいの楽しみは必要だ」と答えています。本人もその気になれば、かなり飲めたようでボルドー産の赤ぶどう酒をほめると「あれは子供用の酒だよ。弱すぎて、あれで酔っぱらおうとすると酔う前にクラレットの中でおぼれて死んでしまう」といったと言います。
そういう私も下戸なんですが、かっこよくお酒を飲んでみたい。
そこで気になったのが坂上太一の酒が飲めない下戸な私が酒豪になった極意の体験談です。
ジョンソンは猫好きで有名でしたが、飼い猫にやる牡蠣を買うのに使用人をやらず、自身でわざわざでかけていったそうです。
使用人にいいっけると猫に反感をもって、いじめたりはしないかというはいう配慮からのようです。
この話を書いたボズウェルは大の猫嫌いでしたが、ジョンソンが使用人の機嫌をおもんぱかったように、ジョンソンの感情を損ねてはならないと、ずっとそのことを内緒にしていたそうです。